商法総則まとめノート〈商法基礎補完講義〉

営業譲渡

営業譲渡の意義

営業譲渡とは、商人が一定の営利の目的のために有する総括的な財産の組織体を、契約により、一体として移転することをいう(定義は法律学小辞典より)。

譲渡人の競業避止義務

16条1項:同一の市町村内及びこれに隣接する市町村の区域内において、20年間同一の営業ができない。

商号続用の場合の責任

ある債務が営業譲渡の対象から除外されていた場合において譲渡人の商号を続用したときに、譲受人が債務を弁済する義務を負うのか?
→負う(17条1項)。

商号を続用していない場合の責任

商号を続用していなくても、譲受人が特に譲渡人の債務を引き受ける旨の広告をしたときは責任を負う(18条1項)。

譲渡人の営業によって生じた債権に対する弁済

ある債権が営業譲渡の対象から除かれていても、譲受人が商号を続用していれば、その債権について譲受人にした弁済は、弁済者が善意無重過失の場合には有効である(17条4項)。

商号

商号とは?

商号とは、商人が営業上、自己を表示するために用いる名称をいう。

商号を定める際のルールは?

商号自由主義(11条)

商号の登記

  • 個人商人:商号を登記するかどうかは自由
  • 会社:登記事項

商号権

  • 商号使用権
  • 商号専用権(12条)

名板貸人の責任

商号の使用を他人に許諾した商人(名板貸人)は、当該承認が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をしたものに対し、当該他人と連帯して債務を負う(14条)。

商業帳簿(19条)

帳簿の作成義務

商業帳簿:会計帳簿、貸借対照表

保存義務

19条3項:「商業帳簿及びその営業に関する重要な資料を保存しなければならない」

商業使用人

支配人

支配人の権限

21条1項:「一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限」

支配人の義務

許可を受けないで以下の行為を行うことはできない。

  • 営業避止義務(23条1項1号、3号、4号)
  • 競業避止義務(23条1項2号)
    ※競業避止義務に違反した場合には損害賠償義務を負う。
    →損害額をどのように算定するのか?
    :23条2項

表見支配人

24条:「一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす」

相手方が「悪意」のときは保護されない。

その他の使用人

ある種類または特定の事項の委任を受けた使用人

25条:「一切の裁判外の行為

代理権に制限を加えても、善意の第三者に対抗することはできない。

物品の販売等を目的とする店舗の使用人

26条:店舗内にある物品の販売・賃貸等に関する権限があるとみなされる。

ただし、相手方が悪意である場合には、代理権がないことを対抗できる。

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